中国在住の北朝鮮のIT技術者が日本のアプリの開発を知人名義で請け負い、報酬を不正送金させていたとされる事件で、この技術者が兵庫県の防災アプリに関わっていたことを受け、斎藤元彦知事は20日、「県民に不安な思いをさせ、おわびをしたい」と述べ、ほかにも外部委託した業務が無断で再委託されていないか調査し、結果を公表する考えを示した。県庁で読売新聞の取材に答えた。
県は、アプリの保守業務をラジオ関西(神戸市)に委託。契約上、業務の再委託は原則禁止だが、許可を受ければ可能になっている。しかし、同社は県に報告せずに不具合の修正を大阪市内のシステム業者に発注。この業者がさらに東京都内の別の業者に委託し、最終的に仲介サイトを通じ、北朝鮮のIT技術者が業務を請け負ったという。
県は、再発防止策として、個人情報を扱う業務については、委託先の責任者や社員らの身分証明書の提出を求めることなどを決めた。
一方、ラジオ関西は19日深夜、再委託の承諾手続きを怠っていたことを認め、「今後は手続きを厳格に運用する」とのコメントを出した。