「お客様は被害者です」外貨専門店の窓口担当、詐欺見破り送金阻止

ネット交流サービス(SNS)で知り合った相手にだまされ、送金しそうになった男性を窓口で説得して被害を防いだとして、福岡県警博多署は23日、福岡市博多区、会社員、矢野明子さん(49)に感謝状を贈った。
矢野さんはJR博多駅内の外貨専門店「トラベレックスTiS博多店」で窓口業務を担当。4月21日午前11時ごろ、50代男性がスペイン人をかたる相手に1800ユーロ(約27万円相当)を送金しようと訪れた。男性は「友達に送ります」と説明。矢野さんが「(送金相手に)会ったことはありますか」と確認すると、SNSで知り合っただけで面識がないことがわかった。送金にこだわる男性は相手とのメールを矢野さんに示したが、文面は日本語と英語が入り交じり、文法はでたらめだった。矢野さんは「これは詐欺事件です。お客様は被害者です」ときっぱり。男性は「そうだったんですか」と納得し、送金をあきらめた。
矢野さんによると、今回の事件は「氷山の一角」で、2日後の23日にもSNSで知り合った相手に送金しに訪れた客がいた。同店は家族か面識のある人でなければ個人間の送金を断るが、そう伝えると他の店に足を運ぶ客も少なくないという。
日ごろから顧客を理解しようと努める姿勢が防犯につながったことに、矢野さんは「家族にも堂々と報告できる」と笑顔。博多署の穴吹尚之署長は「被害を事前に防止していただき、ありがたい」と感謝した。【佐藤緑平】