4300万円確保、地元の声は…「急に返金びっくり」「出所曖昧で気持ち悪い」

山口県阿武町が誤って振り込んだ給付金4630万円について、9割の回収にめどが立ったと発表した24日、町民からは

安堵
(あんど)や、真相の更なる究明を求める声が聞かれた。花田憲彦町長は記者会見で未回収の給付金の確保に取り組む考えを強調した。
この日、町役場に朝から報道関係の中継車両などが到着。関係者がテレビカメラなどを次々と運び込み、慌ただしい雰囲気に包まれた。
会見終了後の夕方、町役場を訪れた女性(53)は「給付金はギャンブルに全部使われたはずだったので、急に返金されてびっくりした。できれば真相を知りたい」と話した。ニュースで返金を知ったという福祉施設の男性職員(34)は「大金が失われる寸前だったと思うので安心した。ごたごたが早く落ち着いてほしい」と話し、「回収する金の出所をはっきりさせるべきだ。曖昧なままでは気持ちが悪い」と注文した。
また、隣接する同県萩市から阿武町内へ買い物に来ていた女性(76)は「(事件は)町のミスが発端だから、批判の矛先に立つ町職員はつらいだろう」と語った。
一方、町議会の末若憲二議長は読売新聞の取材に対し、「まだ町が誤振り込みした全額が返金されておらず、手放しには喜べない。町は残りを全力で取り戻さないといけない」と力を込めた。町議会の6月定例会では、返金の経緯などについて町に説明を求めるという。

町長「全額回収へ努力」

花田町長は、記者会見冒頭、新型コロナウイルス対策関連の給付金誤振り込み関連の騒動について頭を下げ、町民への謝意を示した。
誤振り込みした額の9割が回収できたことについて「若干、安心している」としたものの、「まだ全て回収できたわけではないので、ひたむきに努力を続けたい」と全額回収への意欲を語った。
また、逮捕された無職田口翔容疑者(24)の金の使い道について問われると、「警察の力で、一定程度明らかになると思う。町民にしっかり説明できればいい」と話した。