カズワン船体、海面までつり上げ 落下した182メートル海底から

北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部は26日、えい航中に落下した船体を引き揚げる作業を再開した。船体は海面上まで浮上し、同日午後7時過ぎに作業船への横付けが完了した。網走港(北海道網走市)に陸揚げ後、1管が原因究明に向けて船体を本格的に調べる。
1管は遠隔操作型無人潜水ロボット(ROV)で船体にベルトを掛け直すなどの準備を進めた後、26日午後3時からつり上げ作業を始めた。えい航中にベルトが摩擦で切れて落下した可能性があるため、ベルトの摩擦軽減策を講じたという。船体は26日夜に海面上までつり上げられた後、作業船に横付けされた。その後、水深の浅い海域まで移動させ、クレーンで作業船の上に移すという。1管によると、作業は27日未明までかかる見込み。作業船は27日にも網走港に入港し、船内の海水を抜いた後にカズワンを陸揚げする。
カズワンは観光名所「カシュニの滝」付近の海域の水深120メートルに沈没した。海上保安庁から委託を受けた民間企業「日本サルヴェージ」が23日につり上げたが、えい航中に船体を固定する5本のベルトのうち船尾の2本が切れた。カズワンは、出港したウトロ漁港(北海道斜里町)から西に約11キロ離れた海域で水深182メートルに再び沈んだ。【真貝恒平、平家勇大】