逮捕歴のツイッター投稿 「削除認めない」2審見直しも 上告審弁論

建造物侵入容疑で2012年に逮捕された男性が、ツイッター上に残っている逮捕歴の投稿を削除するよう米ツイッター社に求めた訴訟の上告審弁論が27日、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)で開かれた。1審・東京地裁は削除を認めたものの、2審・東京高裁は「(投稿が)公表されない利益が、公表される利益を明らかに優越するとは言えない」として原告を逆転敗訴とした。今回、最高裁が結論を変更する際に必要な弁論を開いたため、2審判決が見直される可能性がある。判決は6月24日。
最高裁は17年、グーグルなどの検索サイトに対する逮捕歴などの削除請求について「公表されない利益が、公表される利益に明らかに優越する場合には削除が認められる」との判断基準を示した。
今回の訴訟で、東京高裁はこの基準をツイッターへの投稿にもあてはめ、男性の逮捕記事の投稿には公益性があったなどとし、20年6月に削除を認めない判決を出した。上告審では、検索サイトとは異なるツイッターに、この基準を適用できるのかが争点になっている。
男性側はこの日の上告審弁論で、逮捕後に略式命令を受けて罰金を納付してから長い時間がたったのに、実名入りの逮捕記事の投稿がツイッター上に残ることで更生が妨げられていると主張。その上でツイッターは検索サイトほど社会の情報流通の基盤にはなっていないとし、「17年の最高裁基準より緩やかな基準で(削除することを)考えるべきだ」と訴えた。これに対し、ツイッター社側は「ツイッターは情報流通の基盤として公共的な役割を果たしている。投稿は独自の表現行為で、削除は表現の自由や知る権利に関わる。投稿は削除されるべきではない」と反論した。【遠山和宏】