横田滋さん死去から2年 早紀江さん「何で動かない」 にじむ憤り

北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(行方不明時13歳)の父滋さんが2020年6月5日に87歳で亡くなってから間もなく2年となる。めぐみさんの母早紀江さん(86)は29日、東京都内で開かれた拉致問題の早期解決を求める「国民大集会」に出席し、「何で動いていかないんだろう。日本はしっかりしないといけない」と政府に行動を求めた。
早紀江さんは集会で、14年に滋さんとともに夫婦でモンゴルへ行き、北朝鮮で暮らすめぐみさんの娘キム・ウンギョンさんと会った際のことを振り返った。「めぐみちゃんも出て来ないかな、とお父さん(滋さん)と話していた」と懐かしむとともに、その後も解決に向けた動きがないことに憤りをにじませた。
早紀江さんは集会前日の28日に報道各社の取材に応じ、滋さんの思い出などを語った。「酒をよく飲んだことや、いつも速足で歩き、私が走るように後を追いかけたこと、限りなく思い出す」と振り返った。
28日には、京都府に住む90代の兄を17日に亡くしたことも明かした。早く死別した父親の代わりのような存在で、めぐみさんを拉致されたつらさにも長年寄り添ってくれたという。早紀江さんは「お見舞いに行くと『めぐみはどうかな……』と気にかけてくれた。(高齢で亡くなるのは)誰にでも起きることだが、本当に寂しい」と話した。
29日の集会には岸田文雄首相も出席し、「我が国が主体的に動き、トップ同士の関係を構築することが極めて重要だ」と述べ、拉致問題解決のため金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記と条件を付けずに会談する考えを改めて示した。【斎藤文太郎、源馬のぞみ】