「丸刈り強制」認められず、元生徒の父親憤り…「伝統ではなく野蛮な行為だ」

熊本県立済々黌高(熊本市)で丸刈りなどを強制されたかを巡り、元男子生徒(20)の請求を棄却した熊本地裁の30日の判決は、学校側の責任や違法性を認めなかった。校内で伝統とされる「シメ」という強制行為があったと主張した元生徒の父親は、「伝統と言っているが、世間の常識では野蛮な行為だ」と憤った。
元生徒は2017年に入学し、ソフトテニス部で丸刈りにされ、応援団からは屋上で校歌を歌わされたと主張した。うつ状態となって不登校となり、退学したと訴え、「学校は『シメ』行為を容認しており、対策を講じなかった安全配慮義務違反がある」として19年に提訴した。
中辻雄一朗裁判長は判決で、校歌の指導は新入生全員がはだしで、休憩を取らずに1時間半ほどあったと認めた。その上で「団結力や愛校心を高めるため、練習する場を設けることは有益」として、安全にも配慮していたと結論づけた。丸刈りについても違法性を認めなかった。
父親は熊本市内で開いた記者会見で「これを正しいとするなら、教育者として間違っている」と訴えた。同席した代理人弁護士は「学校の裁量を広く認める判決。現代の水準からみて、相当性を欠いている」と批判した。
県教育委員会は読売新聞の取材に「判決の詳細は把握していないが、県の主張が認められたものと受け止めている」とした。