大腿(だいたい)骨を折って歩けない状態だった3歳の次女を放置したとして母親の長野奈々容疑者(31)=傷害罪で公判中=が保護責任者遺棄容疑で再逮捕された事件で、長野容疑者と死亡した次女の沙季(さき)ちゃんが暮らしていた埼玉県春日部市の住宅の周辺では1日、住民らが一様に驚きや悲しみを口にした。県警は、長野容疑者と同居していた男=傷害罪で起訴、3月に死亡=の生活状況などを調べ、経緯の解明を進める。
近所の60代女性によると、長野容疑者が住む家が建ったのは6、7年前。いつごろから暮らすようになったかは分からないが「近所の住民との交流はあまりなかったようだ」という。「大きな事件がめったにない地域なので驚いている」と驚きを口にした。
30代男性は「引っ越してきた当初は住民同士で集まることもあったが、ここ数年、長野容疑者は近所付き合いをしていなかった」と話す。
同居していた男が沙季ちゃんと一緒に遊ぶ様子も目にしていたといい「昨年11月ごろまでは、近くの公園や家の前で遊ぶ姿を見かけることがあったが、12月ごろから見なくなった」と明かした。
10代女性は「休日には家の前で子供たちが仲良く遊んでいる姿をよく目にしていた。とても悲しい」と声を詰まらせた。
県警によると、長野容疑者は昨年夏ごろから男と交際を始め、同年11月下旬から同居するようになった。その後、長女(6)と沙季ちゃんは保育園に通園しなくなっていたという。
春日部市によると、沙季ちゃんが最後に登園したのは同月26日で、その時点ではあざやけがなどはなかった。虐待の疑いがあるという通報も確認されていないという。(星直人)