私立洛星中学・高校(京都市北区)を運営する学校法人「ヴィアトール学園」は3日、法人事務局長の60代男性が5年間にわたって学園の資金計約5200万円を着服していたとして、懲戒解雇(5月20日付)したと明らかにした。元事務局長は「全額を妻の病気の治療費や生活費に使った」と認めているといい、学園は京都府警に業務上横領容疑で告訴した。
同校は関西屈指の進学校として知られる。学園によると、元事務局長は2017年8月~22年5月、ほぼ毎月1回、50万~340万円程度を学園の銀行口座から引き出していた。元事務局長は銀行印を管理しており、金庫に保管されていた通帳を持ち出して出金。架空の支出があったように会計処理を偽装していた。5月に公認会計士の指摘で発覚したという。
京都市内で記者会見した荻野一茂理事長は「保護者や生徒たちに多大な迷惑をかけ、心よりおわび申し上げる。早急に問題を検証し、理事会の責任を明確にする」と謝罪した。資金回収の見通しは立っていないという。【千金良航太郎】