政務活動費で遺言本を滋賀県議が大量購入 専門家「政務と関連ないのでは」

行政書士の経験をアピールしている佐口佳恵滋賀県議(大津市選出)が、公費の政務活動費(政活費)約15万5千円を使って2019~20年度、遺産相続や遺言作成に関する実務家向けの専門書計40冊を購入していたことが6日、京都新聞社の取材で分かった。専門家は「行政書士の仕事に必要な書籍であり、政務活動との関連はないのではないか」と指摘する。
佐口県議は「議員としての専門分野を持つために購入し、政務活動に関連すると考えた」とする一方、「余りに専門的で(単に業務目的と)言われても仕方ない。求めがあれば返還する」と述べた。
行政書士は、遺言書作成支援や相続関連の書類作成を業とする。佐口県議は15年から大津市内で行政書士事務所を構えている。19年4月の前回県議選で行政書士の経験をPRするなどして初当選し、自身の公式ウェブサイトでは「遺言の佐口」「美終活の佐口」と自己を宣伝している。
政活費の領収書によると、佐口県議は同年10月以降、法令関係専門の出版社から「遺言書作成・遺言執行実務マニュアル」▽「マスター遺産相続の実務」▽「贈与・相続・遺言の文例書式集」-などの書籍を購入。19年度は11冊で計4万7628円、20年度は29冊で計10万7687円を政活費から支出した。
出版社の説明では、実務家が法令改正など最新の動きを把握できるように追録を重ねる方式で刊行している。
佐口県議によると、一部は初当選前から購入しており、現在も自身の行政書士事務所に置いているという。
県議会は、税金を原資とする政活費の不適切な使途として「政務活動と関係の薄いものや政治(政党)活動に関係が深い書籍」を挙げている。
政務活動費の問題に詳しい市民団体「京都・市民・オンブズパースン委員会」共同代表の浅井亮弁護士の話 今回問題になっている書籍の内容は、遺言や相続などいずれも国で定めるべきもので県政に関係があるとはいえない。しかも、県議でなくなった後も行政書士として利用できてしまう点で私的利用ではないかという疑問がある。