大阪府茨木市の「コリア国際学園」に侵入し床面を焼損させたとして男が逮捕された事件で、捜査員が現場から約2㌔離れた箕面市にある自転車店周辺まで約30台の防犯カメラ映像を解析し、男の身元を特定していたことが8日、大阪府警茨木署への取材で分かった。
同署によると、事件後に捜査員が現場から約2㌔離れた箕面市内まで、男の姿を捉えた約30台の防犯カメラ映像を順番に確認。同市内の自転車店に映像と似た男が立ち寄り、店側に確認したところ男の身元が判明したという。
男は箕面市小野原西、職業不詳、太刀川誠被告(29)。コリア国際学園に対する建造物侵入と建造物損壊の疑いで、同署が8日に再逮捕した。「学園1階の広場で火を付けた」と容疑を認めており、同署が詳しい動機を調べている。
再逮捕容疑は4月5日未明、茨木市豊川の学園内に侵入し、校舎1階部分にあたる屋外に置かれていた段ボールに着火。燃えた段ボールを床面に置き、約1・6平方メートルを焼損させたとしている。
同署や学園によると、同日午前7時半ごろ、出勤した李相創(リ・サンチャン)校長(65)がくすぶった段ボールを発見し、バケツの水をかけて消火。その後自ら119番したという。当時は春休み期間中で、門も施錠されていた。
学園には中等部と高等部があり、在日コリアンや日本人の生徒のほか韓国や中国などからの留学生が在籍している。李校長は取材に「逮捕されて非常にほっとしているが、(学校が狙われた)大きな怒りはある。動機は気になるが、民族的な話ではないことを祈っている」と話した。
太刀川容疑者は、立憲民主党の辻元清美前副代表の事務所(高槻市)に侵入したとして窃盗未遂罪などでも逮捕、起訴されている。