内閣・議長不信任案を否決=与党反対、立民に同調広がらず―衆院

立憲民主党が提出した岸田内閣と細田博之衆院議長に対する2本の不信任決議案は9日の衆院本会議で採決され、いずれも反対多数で否決された。議長不信任案は自民、公明両党が反対。内閣不信任案は自公両党に加え、日本維新の会、国民民主党なども反対した。賛成は統一会派を組む立民、社民両党と、同調した共産党にとどまった。
岸田文雄首相は内閣不信任案否決を受け、首相官邸で記者団に「信任をいただいた。引き続き責任を果たし、期待に応えていきたい」と述べた。
立民の泉健太代表は内閣不信任案の趣旨弁明で、政府の物価高対応を「無策」と非難。「特技としていた『聞く力』が、米国、日銀、安倍晋三元首相らの声を聞く力になり、物価高に苦しむ国民の声を聞く力ではなくなった」と訴えた。
細田議長不信任案に関しては、立民の岡本章子衆院議員が衆院小選挙区定数の「10増10減」見直しに言及した細田氏を「議長に最も不適切な人物だ」と批判。女性記者らへのセクハラ疑惑についても「説明責任を果たしていない」と指摘した。
議長不信任案の採決では、維新、国民、れいわ新選組などが棄権し、与党や立民、共産両党と一線を画した。
夏の参院選をにらみ、各党はそれぞれの主張を強めそうだ。自民党の茂木敏充幹事長は派閥会合で「国益、国民生活を優先する政党か、党利党略に走る政党か。不信任案への対応で政党の姿勢が見えてくる」と立民などをけん制した。泉代表は本会議後、記者団に「改めて信任に値しないという姿勢を明確にして戦っていきたい」と述べ、政権との対決姿勢を示した。
不信任案の処理に伴い、この日に参院で予定されていた7委員会は開催が見送られた。「こども家庭庁」設置法案は内閣委員会で採決することになっていたが、14日に持ち越された。自民、立民両党は会期末の15日に成立させる日程で合意した。
両党は13日に参院決算委員会を開いて首相が出席した質疑を行うことや、アダルトビデオ(AV)出演被害を防ぐための法案を15日に成立させることも決めた。
[時事通信社]