今年1月に行われた一橋大(東京都国立市)の留学生向けの入学試験中に問題文の画像が外部に流出した事件で、画像送信の中継役とみられる中国籍の大学院生、李歳寒(り・さいかん)容疑者(28)=偽計業務妨害容疑で逮捕=が「数学以外は自分で解答を教えた」と供述していることが捜査関係者への取材で判明した。数学が苦手だったという李容疑者は知人に協力を求めたが、それが事件発覚につながった。
試験は1月31日に日本語、総合科目、数学の3科目で行われた。警視庁国際犯罪対策課は、この試験に合格して同大に入学した王嘉(おう・かろ)容疑者(22)=同容疑で逮捕=が3科目すべての問題文を動画で撮影し、会場外にいた李容疑者に送ったとみている。同課は10日、両容疑者を送検した。
李容疑者は、日本語と総合科目は自身で解き、王容疑者に連絡したとされる。一方、苦手だったという数学は7枚の静止画に編集し、知人で都外の大学に通う20代男性=中国籍=に送っていたとみられる。この男性は「画像が入試問題とは知らなかったが問題を解き、解答の一部を(李容疑者に)連絡した」と説明している。男性はさらに第三者に問題文を送信し、その人物が一橋大に相談したために不正行為が発覚した。
国際犯罪対策課は、王容疑者宅から、小型のワイヤレスイヤホン(長さ約1・5センチ)を押収。同課は王容疑者がイヤホンを使って李容疑者から解答を聞き取っていたとみている。
日本語学校に通いながら一橋大を目指していた王容疑者は、以前勉強を教えてもらっていた李容疑者に「不正を手伝ってくれ」と依頼していたとされる。捜査関係者によると、王容疑者は黙秘し、李容疑者は容疑を認めているという。
一橋大は「本学学部生が逮捕されたことは極めて遺憾。今後も全面的に捜査に協力する」としている。【鈴木拓也、木原真希、岩崎歩】