「原潜保有」提起 国民・玉木代表、中露北の脅威にディーゼル型潜水艦では不十分 「相当なコストが…必要か疑問」世良氏が指摘

日本周辺で、中国やロシア、北朝鮮の軍事活動が活発化して安全保障上の脅威が高まるなか、国民民主党の玉木雄一郎代表が「原子力潜水艦保有の検討」を提起した。日本を標的とする潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)搭載の原潜に対応するには、自衛隊のディーゼル型潜水艦では不十分だと主張している。日本が原潜を保有する実現性はあるのか。
「原子力潜水艦を保有するなど、適度な抑止力を働かせていくことを具体的に検討すべきだ」「(日本が)攻撃を受ける可能性があるのは、発射地点が分からないSLBMだ」
玉木氏は14日、国会内で取材に応じ、こう指摘した。原潜保有は安全保障リスクに対処するうえで有効だという。
日本の抑止力強化では、米国の核兵器を共同運用する「核共有」も議論されるが、玉木氏は「抑止力を強めることに貢献しない」と否定した。ロシアのウクライナ侵攻でドローン攻撃が多用されている現状を挙げ、長射程ミサイルに限定せず、抑止力と反撃力を強化する手段を議論すべきだと主張した。
原潜保有については、昨年9月の自民党総裁選でも4候補が激論を交わした。
高市早苗政調会長は「国際環境や最悪のリスクなどを考えると、長距離に対応はできるものはあっていい」と前向きな見解を示し、河野太郎広報本部長も「日本が持つのは非常に大事」と、コストなども含めて検討を進めるべきと強調した。
一方、岸田文雄首相は「原子力技術は大事だが、日本の安全保障の体制を考えた場合、どこまで必要なのか」と疑問を呈し、野田聖子こども政策担当相も「非核三原則を堅持する国だということを明確にしたい」と述べていた。
日本の原潜保有を、識者をどう分析するか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「日本の防衛戦略から考えれば、必ずしも原潜保有が必要かは疑問だ。原潜は高速で長距離を長期間、潜水航行できる。一方、日本の通常動力潜水艦は静粛性で勝る。日本は有事では海峡などで静かに敵潜水艦を待ち受けて迎撃する戦略で、長距離航行の能力はさほど必要ない。原潜保有には相当なコストもかかる。原潜に対抗するには原潜という発想は疑問がある」と指摘した。