山口県阿武町が新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金4630万円(463世帯分)を誤って1世帯に振り込んだ問題で、町は20日、未回収だった約340万円を確保したことを明らかにした。町の代理人弁護士が町役場で記者会見した。町には既にオンライン決済代行業者3社から計約4300万円が返還されており、残る約340万円の確保で誤給付した全額が回収できたことになる。
町は、誤給付した同町の無職、田口翔被告(24)=電子計算機使用詐欺罪で起訴=の税金滞納に着目し、被告の財産を差し押さえるなどの手続きをとって約4300万円を回収。代理人弁護士は残る約340万円のデビット決済分についても「同じやり方をした」と説明した。
この日は被告に誤給付分の返還を求める民事訴訟の弁論準備が山口地裁萩支部であり、被告側がデビット決済分を現金で返済しようとしたが、町側が既に確保したことを理由に受領を拒否。町側が誤給付分とは別に請求している訴訟費用など約500万円への充当を求めたが、被告側はこの請求については争う姿勢を崩さず、拒否したという。
田口被告の代理人弁護士は毎日新聞の取材に「(現金は)田口被告が東京のホワイトナイト(友好的な投資家)から借りた」と説明した。【福原英信、近藤聡司】