うその110番でスリル 「ハイパーゲーム」疑いの高校生を逮捕

友人にうその110番を指示し、パトカーを出動させたなどとして、福岡県警西署は22日、同県糸島市の男子高校生(15)を偽計業務妨害容疑で逮捕した。西署によると、うその110番でパトカーを呼んで逃げる「ハイパーゲーム」と呼ばれるいたずらが近年、少年らの間で横行しており、男子高校生も「スリルを味わいたかった」などと容疑を認めているという。
逮捕容疑は4月30日午前3時10分ごろ、別の高校に通う友人(15)にうその110番を指示し、通報を受けて出動した警察官に約30分間、福岡市西区の団地近くを捜索させ、警察の業務を妨害したとしている。
西署によると、110番は「外から花火のような音がする」「高校生がたばこを吸っているので注意してほしい」などの内容だったという。駆け付けた警察官が現場付近にたむろしていた別の少年たちに職務質問し、虚偽通報であることが発覚した。西署は、虚偽通報した友人も偽計業務妨害容疑で書類送検する方針。
虚偽通報増加の福岡県
県警通信指令課によると、福岡県内では近年、ハイパーゲームを含む虚偽通報が増加。2017年までは年間数件だったが、18年に108件に急増し、21年は130件だった。22年も5月末時点で46件に上る。同課の巴田和広次席は「必要な対応に支障が出る恐れがある。悪質なケースは厳しく取り締まっていく」と話す。【佐藤緑平】