観光船沈没事故では今も、第1管区海上保安本部や北海道警が行方不明者12人の捜索を続けている。事故から2カ月となった23日、地元斜里町では関係者らが再発防止を誓った。一方、事故で親族を亡くした50代の男性が産経新聞の取材に応じ、「事故から2カ月がたったが、何も変わっていない。国はもっと遺族に寄り添ってほしい」と語った。
男性はこれまで家族説明会に参加し、遺族の思いを伝えてきた。しかし、報道で初めて知ることも少なくなく、「なぜ被害者遺族よりも先にマスコミに情報が開示されるのか」と憤る。
斜里町のウトロ港を拠点とする小型観光船の運航が今月16日から始まった。運航判断を複数社で協議することなどをルール化したが、男性は「まだ見つかっていない人もいるのに、納得できない」と複雑な思いを吐露。「自然の猛威を前に万全な体制などあるのだろうか」と話した。