夏の参院選が公示され、7月10日の投開票に向けて545人の候補者らは一斉に走り出した。国民生活や企業活動を直撃している円安・物価高対策や、ロシアによるウクライナ侵攻で激変した安全保障政策、自衛隊違憲論争に終止符を打つ憲法改正などを主要争点として、舌戦が繰り広げられそうだ。現時点で、首都圏(1都6県)と、近畿圏(2府4県)の序盤情勢はどうなっているのか。鋭い選挙分析で知られる政治評論家、有馬晴海氏に13選挙区の分析を依頼した。 「私は乳がんの闘病経験をしました。自分の命をつないでいただきました」「弱い立場の方々の力になりたい」 元おニャン子クラブで自民党新人の生稲(いくいな)晃子氏(54)は22日午前、東京都千代田区のJR有楽町駅前で、第一声を上げた。 東京選挙区は6年前、改選定数が5から6に増えた。主要政党から無所属候補まで乱立する「全国一の激戦区」だ。 自民党は、知名度が高く無党派層に浸透しやすい生稲氏と、現職で元五輪ビーチバレー選手の朝日健太郎氏を擁立した。 立憲民主党からは、2016年参院選でもトップ当選した蓮舫氏ら2人が出馬した。 蓮舫氏は、港区の表参道交差点付近で第一声に臨み、「岸田文雄政権は防衛予算には敏感なのに(日用品などの)値上げには鈍感だ。行財政改革を進め、税金がきちんと正しく使われるように取り組む」と訴えた。 れいわ新選組の山本太郎代表は、JR新宿駅南口で、「皆さんの生活は楽になっていますか? 景気は良くなっていますか?」と呼びかけた。 首都決戦の行方をどう見るか。有馬氏は「残り1席を争う戦いになりそうだ」といい、続けた。 「生稲氏には、安倍晋三元首相らが支援し、組織票も付いている。朝日氏は16年の初当選以来、地盤を固めてきた。蓮舫氏は前回も100万票を超えて盤石だが、1位を維持できるかが焦点だ。公明党の竹谷とし子氏と、共産党の山添拓氏も抜けており、残るは1議席。日本維新の会の海老沢由紀氏と、れいわ新選組の山本氏、ファーストの会の荒木千陽代表が争う構図ではないか」 横浜市や川崎市などの大都市を抱える神奈川選挙区(改選定数4+欠員1)はどうか。 「自民党は地元の菅義偉前首相と河野太郎広報本部長、小泉進次郎前環境相が支援する現職の三原じゅん子氏が盤石だ。旧みんなの党代表の浅尾慶一郎氏も強い。公明党の三浦信祐氏も抜けた。元神奈川県知事で、日本維新の会の松沢成文氏も人気が根強い。立憲民主党は2人擁立したことで票割れの恐れがある」
夏の参院選が公示され、7月10日の投開票に向けて545人の候補者らは一斉に走り出した。国民生活や企業活動を直撃している円安・物価高対策や、ロシアによるウクライナ侵攻で激変した安全保障政策、自衛隊違憲論争に終止符を打つ憲法改正などを主要争点として、舌戦が繰り広げられそうだ。現時点で、首都圏(1都6県)と、近畿圏(2府4県)の序盤情勢はどうなっているのか。鋭い選挙分析で知られる政治評論家、有馬晴海氏に13選挙区の分析を依頼した。
「私は乳がんの闘病経験をしました。自分の命をつないでいただきました」「弱い立場の方々の力になりたい」
元おニャン子クラブで自民党新人の生稲(いくいな)晃子氏(54)は22日午前、東京都千代田区のJR有楽町駅前で、第一声を上げた。
東京選挙区は6年前、改選定数が5から6に増えた。主要政党から無所属候補まで乱立する「全国一の激戦区」だ。
自民党は、知名度が高く無党派層に浸透しやすい生稲氏と、現職で元五輪ビーチバレー選手の朝日健太郎氏を擁立した。
立憲民主党からは、2016年参院選でもトップ当選した蓮舫氏ら2人が出馬した。
蓮舫氏は、港区の表参道交差点付近で第一声に臨み、「岸田文雄政権は防衛予算には敏感なのに(日用品などの)値上げには鈍感だ。行財政改革を進め、税金がきちんと正しく使われるように取り組む」と訴えた。
れいわ新選組の山本太郎代表は、JR新宿駅南口で、「皆さんの生活は楽になっていますか? 景気は良くなっていますか?」と呼びかけた。
首都決戦の行方をどう見るか。有馬氏は「残り1席を争う戦いになりそうだ」といい、続けた。
「生稲氏には、安倍晋三元首相らが支援し、組織票も付いている。朝日氏は16年の初当選以来、地盤を固めてきた。蓮舫氏は前回も100万票を超えて盤石だが、1位を維持できるかが焦点だ。公明党の竹谷とし子氏と、共産党の山添拓氏も抜けており、残るは1議席。日本維新の会の海老沢由紀氏と、れいわ新選組の山本氏、ファーストの会の荒木千陽代表が争う構図ではないか」
横浜市や川崎市などの大都市を抱える神奈川選挙区(改選定数4+欠員1)はどうか。
「自民党は地元の菅義偉前首相と河野太郎広報本部長、小泉進次郎前環境相が支援する現職の三原じゅん子氏が盤石だ。旧みんなの党代表の浅尾慶一郎氏も強い。公明党の三浦信祐氏も抜けた。元神奈川県知事で、日本維新の会の松沢成文氏も人気が根強い。立憲民主党は2人擁立したことで票割れの恐れがある」