猛暑で渇水、四国の水がめピンチ 関東は余裕あるも楽観できず

各地で過去最速の梅雨明けとなり、西日本を中心に水不足への懸念が高まっている。「首都圏の水がめ」となっているダムではまだ余裕があるものの、「今後も晴天と少雨が続けば貯水率が減って厳しい状況」(国土交通省)に陥る可能性があるとし、決して楽観はできない。全国の家庭や企業を対象とした節電期間が1日から始まったが、この夏は節電に加え、節水を心がけることも求められそうだ。(大竹直樹)
「水不足が心配になって香川県からわざわざダムを見に来る人も少なくない」
貯水率が著しく低下し、流域で取水制限が実施されている高知県の早明浦(さめうら)ダム。ダムのある大川村の大沼花依(はなえ)さん(23)は、ダム湖に沈んだ旧村役場庁舎の一部が水面に出現し「こんな状況は珍しい」と驚く。
独立行政法人水資源機構の池田総合管理所によると、貯水率は1日午後3時時点で31・9%(速報値)。下流にある池田ダム(徳島県三好市)から香川県に供給する水量を50%減らす「第3次取水制限」が2日にも始まる見通しで、実施されれば平成25年8月以来という深刻な事態だ。
少雨で水不足に陥りつつある「四国の水がめ」に対し、利根川水系9つのダムの貯水率は100%(1日午前0時現在)とゆとりがある。国交省によると、東日本のダムは春先から6月ごろにかけて雪解け水の流入があるため、西日本各地のダムよりも貯水量が増える傾向にあるという。特に今年は降雪が多く、雪解け水の流入も多かった。
関東地方整備局によると、台風が増える夏季は大量の水の流入に備え、通常の貯水量を半分から3分の2程度に抑制したものを100%と設定。1日からこの運用を開始したため100%となっているが、前日6月30日時点の利根川水系9ダムの貯水率は68%だった。
同様に、夏季の制限容量が設定されている荒川水系4つのダムの貯水率も99%(同)だが、「通常の梅雨時期であれば、この貯水量で問題はないが、今年はもう梅雨明けしているので注視しないといけない」(関東地方整備局)。
利根川水系では平成8年に30%、28年に10%など過去に取水制限を実施している。日常生活や企業活動に影響が出た。今後の天候次第では厳しい状況になる恐れもあり、担当者は「貯水率100%でも安心はできない。水不足を回避するため節水に心がけてほしい」と訴える。
東京都水道局は、水不足が深刻となる前に「水源や気象情報を注視し、ツイッターやホームページを活用して、貯水状況や節水についても広報を行っていきたい」(担当者)という。