選挙期間中で最後の日曜となった3日、岸田文雄首相(64)や立憲民主党の泉健太代表(47)らが全国各地の街頭で支持拡大を訴えた。記録的な猛暑が続く中、岸田氏の都内での演説中には聴衆が倒れ、演説が一時中断。現場は、騒然となった。各党は、新型コロナウイルスの感染症対策と暑さ対策という“二重苦”に苦慮しつつも、ラストスパートをかける。
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酷暑の選挙戦、首相の演説時にハプニングが起きた。雨があがり、太陽が顔を出した午前10時すぎ、岸田氏が東京・JR渋谷駅ハチ公口で自民候補の応援演説に立った。スタートから約9分、弁舌が熱を帯びてきた時、目の前にいた聴衆の男性が倒れた。
当時の気温は31度。1000人以上が詰めかける中、岸田氏は演説を中断。「暑さの中で気分が悪くなった方がいるようです。周りのみなさん、ご協力下さい」と呼びかけ、救護の様子を見守った。炎天下、聴衆は水分補給をし、うちわをあおぐなどで暑さ対策。約3分間の中断後、首相は「くれぐれも暑さには気をつけてください」と聴衆の体調を気遣いながら、支持を訴えた。演説も当初の予定より短縮した。
都連関係者によると、男性は陣営関係者の1人で最前列近くで演説を見守っていた。救急車で病院に搬送され、点滴を受け、体調は回復。報告を受けた岸田氏も「安心しました」と話していたという。現場では医師やスタッフが待機し、救護テントも用意。体調が悪くなった場合は、スタッフに告げるよう呼びかけていた。
東京都心のこの日の最高気温は35・3度。統計のある1875年以降最長となる9日連続猛暑日(35度以上)に。全国914観測点中469地点で真夏日(30度以上)の暑さとなった。
各陣営はコロナ対策に加え、猛暑対策を迫られている。「屋外での動員が難しくなった。集まりも悪い」と与党関係者は話す。昼間を避け、朝方や夕方の時間帯に活動を切り替えたケースもある。ミネラルウォーターを配るなどの配慮は「公職選挙法に抵触する可能性があり、対応が難しい」と悩む。都選管は「選挙区内であれば寄付行為に当たる可能性があるが、ケース・バイ・ケースの判断になる」と話した。
候補者も帽子をかぶると、顔が見えなくなるデメリットがある。ある公明候補は屋外での演説では、腰に小型の扇風機がついた風を送り込むベストを着用。演説場所も日陰を選ぶなど工夫する。他陣営のスタッフでもベストの着用が見られ、暑さ対策に一役買っている。立民候補は演説会場に扇風機や、氷水を入れたたらいを用意。打ち水をするなど対策する。「いくらか効果はあります」と関係者。無所属候補は車いすの脇に小型の扇風機を取り付けた。
暑さが続く中、台風も接近。残り6日、心身ともに厳しい戦いが続く。