倒れた「400年ブナ」撤去せず保存へ…「森の巨人たち百選」選出の白神山地のシンボル

秋田県藤里町の国有林に自生していた「400年ブナ」が3月、倒れているのが見つかったことを受け、東北森林管理局と藤里町は5日、400年ブナを撤去せずにそのまま現地に保存することを決めたと発表した。
400年ブナは標高620メートル付近の

岳岱
(だけだい)自然観察教育林にあり、太さ1・54メートル、幹回り4・85メートル、樹高26メートルの大きさを誇っていた。一般的なブナの寿命300年前後よりもはるかに長い推定樹齢400年以上で、国有林にある巨木を集めた林野庁の「森の巨人たち百選」にも選ばれるなど、白神山地の秋田県側のシンボル的な存在だった。
同管理局によると、1999年の台風で大枝が折れて以降、木を腐らせる腐朽菌が内部に入り込んで徐々に樹勢が衰え、今冬の大雪や強風で根元から折れてしまったという。
今後は、来訪客が近づかないようロープで囲いをした上で、付近に400年ブナの歴史などを記した看板を設置する予定。
同管理局の担当者は「地元の住民に非常に親しまれてきたブナなので、撤去せずに倒れた姿を残し、今後若い樹木が成長して森林が更新されていく様子を見守っていただければと思う」と話した。