安倍晋三元首相(67)が奈良市内で参院選の街頭演説中に銃撃されて死亡した事件で、元海上自衛官で無職の山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の自宅から押収されたノートに、特定の宗教団体への恨みが記述されていたことが捜査関係者への取材で判明した。
山上容疑者は、この団体に対する敵視が安倍氏への一方的な恨みにつながったと供述しており、奈良県警はこうした動機を裏付ける物証とみてノートの記載内容を精査している。
県警は8日夜、山上容疑者宅を家宅捜索した際、手製とみられる拳銃5丁のほか、ノートやパソコンなど計数十点を押収していた。
捜査関係者によると、山上容疑者は「母親が宗教団体に多額の金をつぎ込み、破産した。安倍氏が団体を国内に広めたと思い込んで狙うようになった」と供述しているという。【吉川雄飛】