任期満了に伴う滋賀県知事選は10日投開票され、無所属現職の三日月大造氏(51)が、共産党新人の小西喜代次氏(72)を大差で退け、3選を果たした。自民、立憲民主、公明、国民民主、社民各党の県組織が「相乗り」で三日月氏を支援し、前回に引き続いて「非共産対共産」の一騎打ちを制した。
大津市内のホテルで支援を受けた県議や市議らと拳を突き上げ、「しっかりやらなければならないとの重責、大役に緊張している」と表情を引き締めた。
滋賀県知事の3選は、1994年選挙の稲葉稔氏以来28年ぶり。自身最多だった前回の約37万7千票を更新した。三日月氏は「違う考え方、反対の方の声を丁寧に聞きながら、謙虚な県政運営をしていきたい。『三日月カラー』よりも、滋賀らしさを出していきたい」と決意を述べた。
政党推薦を受けず、県議会4会派や経済団体でつくる「健康で元気な滋賀をつくる会」を選挙母体に県政の継続を訴えた。新型コロナウイルス対策や県内初となる高等専門学校設置に道筋を付けた2期8年の実績に加え、コロナ禍や人口減少で縮小する地域公共交通を維持する財源としての「交通税」の導入検討や、ICT(情報通信技術)を活用した学力向上、河川の治水対策などを訴えた。
支援を受けた5党を始め、無党派層や共産の一部からも幅広く得票を得た。年代や性別を超えて票を集めた。
小西氏は、国の大戸川ダム(大津市)の建設中止や県立病院の独立行政法人化に反対して県政批判票の取り込みを図ったが、明確な争点を作り出せなかった。知名度不足や、立候補表明が6月に入ってからと出遅れたのも響き、党支持層以外への広がりを欠いた。
滋賀県知事選開票結果 (午前0時30分現在、開票率73.83%)
当399,082三日月大造 無現
59,937小西喜代次 共産新