もうけ話、合格マニュアル…情報商材相次ぐトラブル 業者「野放し」か

副業や投資、ギャンブルといった金もうけから、異性にもてる方法や大学合格マニュアルまで、あらゆる情報を提供するとしてインターネット上で販売されている情報商材。中でも高額収入をうたう商材をめぐっては、宣伝のように稼ぐことができないうえ、追加で金を要求されるなどのトラブルが多発している。業者側はSNSなどを使って次々と勧誘を続けるが、警察に検挙された例は少なく、「詐欺まがいの商材が野放しになっている」との声もある。
名古屋市の50代の男性会社員は平成29年9月、ネットビジネスのセミナーで「信用できる」といわれ、ある情報商材をすすめられた。メールアドレスを登録すると、毎日のように動画が届くようになった。
動画では米国のコンサルティング会社で資金調達の経験があると自称する男性が、億万長者を養成するプロジェクトを始めたと説明。成功者の体験談も交えながら「1年後には1億円になる」として、男性が開発した投資システムへの参加費などを要求してきた。
会社員は家族の名義も使って約110万円を支払った。その後、ネットの表示上では運用資金が増えていたが、出金しようとしても業者側は応じず、やがてやり取りも途絶えたという。
家族に秘密にしながらほかの商材などにも手を出し、さらに数百万円を失った。「商材でもうかっている人はまずいないのに信じた方が悪い」と振り返るが、資金があればまた、とも思う。「万が一にも本当かもしれないと思ったらやめられない。依存症と一緒です」
情報商材の売買を扱う大手サイトのホームページによると、昨年の同サイトの決済取扱高は前年から約21億円増え、過去最高の約163億に上ったという。一方で、国民生活センターによると、30年度に寄せられた情報商材に関する相談は約8700件で25年度の約10倍に増加。相談者は若者から高齢者まで幅広く、今年度も約3千件の相談が寄せられている。
悪質な情報商材にはネット上で「詐欺」との指摘も多いが、詐欺容疑で摘発された事例はほとんどない。同センターの担当者は「ほぼ価値のないものを高値で売る商売が多いのは事実だが、実際に何かを提供している以上、たとえもうからなくても詐欺として立件するのは難しいのではないか」と指摘する。
京都情報商材被害対策弁護団長の中島俊明弁護士は、悪質な情報商材が横行する背景には一時の暗号資産(仮想通貨)の高騰や、副業や投資を推奨する社会情勢があるとみる。
業者側は一般の人たちの投資意識の高まりに乗じ、SNSなどを通じて巧みに勧誘。あおられた人は次々と購入してしまうケースも多く、「実質的には詐欺まがいの商材が野放しになっている。規制も必要だが、まずは消費者側が絶対にもうかる話はないと理解すべきだ」と警鐘を鳴らしている。