茨城県、人口当たりの自動車盗難15年連続全国ワースト なぜ?

茨城県は人口当たりの自動車の盗難被害件数が15年連続で全国最多となっています。その数、全国平均の約5倍。なぜなのか? 理由を探りました。
人口比、全国平均の5倍
なるほドリ 茨城県は人口の割には自動車の盗難被害がものすごく多いらしいね。
記者 茨城で2021年に確認された自動車盗難の件数は633件で、千葉、愛知に次いで全国3位でした。しかし、人口10万人当たりの件数は22・1件で全国平均の約5倍に上り、15年連続で全国最多です。今年も6月末時点で茨城が1位、次いで栃木、群馬と続きます。
Q 北関東ばかりだね。
A 茨城の道路の総延長は約5万9000キロで北海道の次に長く、1世帯当たりの自動車の保有台数も全国7位と車文化が根付いています。茨城県警は、土地が広く自動車を解体して保管するヤード(作業場)も多いため、盗難車を海外に密輸するグループの拠点になっているとみています。ほか2県も同様のようです。
Q どんな自動車が狙われるの?
A 目立つのはランドクルーザーやレクサスなど、海外で人気の国産高級車です。一方、全国有数の農業地帯という土地柄もあり、農耕用のトラクターの被害も多発しています。トラクターはインターネットのオークションサイトなどを通じて、主に国内で転売されているようです。
Q 盗まれないための対策は?
A 近年増えているのが、特殊な機器を車に接続し、制御システムを乗っ取ってロックを解除する「CANインベーダー」と呼ばれる手口です。仮にロックを解除されても車を動かせないようにするため、ハンドルを鍵付きのバーで固定する「ハンドルロック」を装着するのが効果的です。他にも、車に警報器を付けたり、保管場所に防犯カメラを設置したりするなど、「簡単には盗めない」と思わせるよう複数の対策を講じるとよいでしょう。回答・長屋美乃里(水戸支局)