異例の早さの梅雨明けとなった日本列島で猛暑に見舞われた6月末から一転、7月に入り雨の日が続いている。各地で局地的な豪雨が相次ぎ、15日には気象庁が初めて線状降水帯の予報を発表、16日からの3連休も雨雲の発達しやすい不安定な天気が予想される。夏を通して昨夏を上回るゲリラ豪雨が起きる見込みのほか、西日本豪雨のあった平成30年と気圧配置が似ているとの指摘もあり、土砂災害などへの備えが求められる。
気象庁によると、梅雨明け後に続く荒天は、6月末に猛暑をもたらした太平洋高気圧が南へ下がり、本州付近に暖かく湿った空気が流れ込みやすくなったのが要因。さらに上空に寒気も流れ込むことで、16日にかけては、西日本から北日本の広範囲で大気の状態が非常に不安定となり、雷を伴って非常に激しい雨が降ることが予想される。
太平洋高気圧は16日以降もしばらく北上することはなく、17日は北日本と東海、北陸、18日から19日にかけて中四国、九州北部・南部で大雨になる可能性がある。
気象情報会社「ウェザーニューズ」によると、7月末にかけても、湿った空気や寒気の影響でにわか雨や雷雨が発生しやすく、降水量は沖縄を除いて全国的に平年並みか多くなる可能性がある。また、7~9月のゲリラ豪雨の発生回数は、昨夏(約6万3千回)の1・4倍となる約9万回に上ると見込んでいる。
一方で、今夏は7月末と8月末に、大陸側から日本列島の西側に伸びるチベット高気圧と太平洋高気圧が平年より北に張り出すと予想されている。暖かい空気を伴う太平洋高気圧とチベット高気圧の両方が北に張り出して日本列島を包み込むことで、引き続き気温が上昇しやすくなるとみられる。
こうした気圧配置について、東京大大気海洋研究所の渡部雅浩教授(気候モデリング)は「平成30年と似ている」と指摘する。
30年は埼玉県熊谷市で過去最高の41・1度を観測するなど記録的な猛暑になったほか、7月には活動の活発な梅雨前線や台風7号の影響を受けて西日本を中心に広範囲で記録的な大雨となった西日本豪雨が発生。各地で同時多発的に水害・土砂災害が起き、200人以上の死者を出した。
渡部教授は「気圧配置が似ているからといって、天気も似るとは限らない」とした上で、「いつどこで、どれぐらい降るか先々の予測は困難だが、事前の備えが必要だ」と話した。(吉沢智美)