銀座で1人数万円 文科省職員10人弱接待か 私立幼稚園連前会長ら

全日本私立幼稚園連合会(東京都千代田区)の資金を着服したとして前会長の香川敬容疑者(70)らが業務上横領容疑などで逮捕された事件を巡り、文部科学省は15日、同省職員が前会長らと不適切な会食をしていなかったかを調査すると明らかにした。警察当局から香川容疑者らと会食した職員について情報提供があったという。捜査関係者によると、少なくとも局長級以上を含め10人弱が接待を受けた可能性が高く、銀座などで1人数万円の飲食をしたケースもあるという。
末松信介文科相は15日の閣議後記者会見で「(香川容疑者らと)業務上、関わりのあった職員も多い。不適切な行為がなかったか調査し、速やかに公表できるよう対応する」と述べた。
事件を巡っては、香川容疑者と元事務局長の勝倉教雄容疑者(49)が連合会の口座から約700万円を別口座に不正に送金したなどとして、今月13日に警視庁に逮捕された。連合会とその関連団体では、2020年度までの数年間に計6億円超の使途不明金があることが明らかになっている。
文科省によると、警察当局から香川容疑者らが持っていた領収書数点に職員の名前が記載されていたとの情報提供があった。他にも会食した職員がいる可能性があり、文科省は香川容疑者が連合会の会長に就いた10年から使途不明金問題の発覚で辞めた20年までの間、主に幼児教育や私学助成に関わった職員を調査する。
対象は数十人程度に上るといい、まずは書面で会食の有無を聞いた上で、当てはまる職員には対面によるヒアリングを実施する。
国家公務員倫理法に基づく倫理規程では、職員が許認可事業などの「利害関係者」から接待を受けることを禁じている。飲食代を折半した場合でも、自己負担が1万円を超える場合は届け出が必要だとしている。調査で違反が確認されれば該当する職員を処分する。
文科省によると、任意団体である連合会は所管団体ではないが、幼児教育に関する調査事業などを委託していたため、前会長らは利害関係者に該当する。
一方、21年3月の野党合同ヒアリングで、過去5年間に職員から届け出があった利害関係者との会食に連合会は含まれていないと説明していたが、今回、改めて調べるとしている。また、調査対象になるとして15日付で、幼児教育担当の官房審議官を官房付に異動させる人事を発表した。【国本愛、林田奈々】