熊本・慈恵病院で「内密出産3例目」と公表 県外の女性「ここしかない」

望まない妊娠をした女性らが病院以外に身元を明かさず出産する「内密出産」に独自に取り組む熊本市の慈恵病院は21日、熊本県外の20代女性が内密出産の手続きに沿い、6月に出産したと明らかにした。国内3例目とみられる。乳児は現在、乳児院に移っており、女性は「2例目の報道を見て内密出産を知り、自分にはここしかないと思った」と話したという。
病院によると、5月に女性から「誰にも知られず出産したい」とメールで相談があった。女性は妊娠後に病院を受診しておらず、慈恵病院で出産後、新生児相談室長だけにマイナンバーカードと運転免許証のコピーを提出して身元を明かし、血縁のない養親に実子として子供を育ててもらう、特別養子縁組を希望する申述書を書いて退院した。
蓮田健院長は「(手続きは)1例目に比べると滞りなく進んでいる。内密出産は法制化されておらず非常に脆弱(ぜいじゃく)なシステムだが、行政の理解と応援があり、母子の安全と健康を確保できたことはありがたい」と語った。
病院は2019年12月、新生児相談室長のみに身元を明かすことを条件に、匿名での出産を受け入れる内密出産を独自に導入。21年12月と22年4月に、内密出産の手続きに沿った出産があった。【栗栖由喜】