中学生を拘束し、施設に監禁したなどとして、福岡県警が福岡市のNPO法人「さるく」理事長(57)ら2人を逮捕した事件で、中学生が「殺すぞ」などと脅され、結束バンドで後ろ手に縛り付けられていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、中学生の男子生徒(14)(事件当時)は「殺すぞ」「暴れたら殴るぞ」などと言われた。結束バンドで拘束された上、頭に袋をかぶせられ、苦しそうな様子を見せることもあったという。
理事長は自身らの行為について、障害のある生徒を助けるためで「療育の効果があった」、小学校教員の男(37)も「療育で良くなると思った」という趣旨の供述をし、いずれも容疑を否認しているという。
2人は20日、逮捕監禁と強要の疑いで福岡県警に逮捕された。昨年10月9~11日、長崎県内の自宅で就寝中だった生徒の両手足を結束バンドで拘束。車に乗せて福岡県久留米市の障害児通所施設などに連行し、約67時間にわたって監禁したほか、反省文を書くように強要した疑いが持たれている。
教員の男は、過去に勤めた小学校の児童が理事長の「療育」を受けており、その指導法に共感していたという。昨年度は同県志免町立志免中央小で特別支援学級の担任をし、今年1月頃から体調不良を理由に出勤していなかった。
福岡市は、障害者総合支援法に基づき、NPO法人「さるく」の監査を実施する方針を固めた。活動の実態や運営状況を調べる。