法務省、数年前から死刑執行を検討か 秋葉原通り魔事件

東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件の発生から14年余り。殺人罪などで死刑が確定していた加藤智大(ともひろ)死刑囚(39)への刑が26日、執行された。
古川禎久法相は26日午前に法務省内で開いた記者会見で「突然の凶行により命を奪われた被害者、ご遺族の方々にとっても、無念この上ない事件だ」と言及し、被害者やその遺族の気持ちに思いを致した。
会見では報道陣から、このタイミングで執行を命じた理由や、今回、100人を超える確定死刑囚の中でどのように対象者を選んだかについても問われたが、明言を避けた。ただ、関係者によると、17人もの死傷者を出したという重大な結果や事件が社会に与えた影響、発生からの時間の経過などを踏まえ、法務省内では数年前から対象者として検討されていたという。
死刑制度は国際的には廃止が潮流だが、日本では維持されている。内閣府が2019年に死刑制度への賛否を尋ねた調査では、約8割が「容認」を選択している。
古川法相は会見で、死刑制度の存廃の議論について問われると「死刑制度は刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題」と述べた上で、「国民世論に十分に配慮しつつ、社会における正義の実現の観点から慎重に検討すべきだ」との考えを示した。【林田七恵、遠藤浩二】