新型コロナウイルスの感染「第7波」が拡大するなか、気になるのが「ケンタウロス」の異名をとるオミクロン株の派生型「BA・2・75」だ。感染力は流行中の「BA・5」の3倍とされ、第7波の長期化も懸念されるが、感染症法上の「2類相当」の見直しは賛否が割れている。
米アーカンソー州立大の研究では、BA・2・75の感染力はBA・5の3・24倍と報じられた。国内でも市中感染が始まっているとみられる。
東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は「遺伝子上の変異する部位の数が多いことで特徴的な名前が付いた可能性もあるが、オミクロン株発生以来、総じて毒性は弱くなっていると考えていい」とみる。
第7波のピークについて、東京都の新規感染者が1日5万人超という試算もある。児玉氏は「実際の感染者はBA・5の3倍に増える可能性はあるが、検査数に限界があるため全数把握が難しく、第7波が従来にないほど長期化する形で表面化するのではないか」との見方を示す。
仮に「1日15万人」となっても把握しきれないというわけだ。
世界保健機関(WHO)の集計では、日本の週間感染者数が96万9068人で「世界最多」となったが、感染者数のカウントをしていない国もあるうえ、日本の死者数は抑えられている。
こうした状況から、感染症法上の位置付けを「2類相当」から、季節性インフルエンザレベルの「5類」に引き下げるかどうかが議論の的だ。神奈川県の黒岩祐治知事は28日、「結核と同じような扱いでは、入院調整など保健所の負担が多すぎる。いつまでも続けられない」と発言した。
児玉氏は「これ以上公費負担を続けると、結果的に国民負担も大きくなる。2012年の新型インフルエンザ流行時と同様、全数把握などの制度を収束させ、風邪と同様に扱うしかないのではないか」と語った。
慎重論もある。日本医科大の北村義浩特任教授(感染症学)は「高齢者の致死率が他の感染症より極めて高い中で5類に下げるべきではない。保健所の負担を減らすには感染者や濃厚接触者の追跡や自宅待機者の健康管理をやめればいいだけだ。経口薬が軽症者に容易に手に入るようになるまで引き下げる理由はない」と指摘した。