中国が4日に台湾周辺海域に発射した弾道ミサイルのうち5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾した問題で、中国の目標が沖縄県与那国島のレーダーなど、日本への攻撃を想定したと台湾当局が分析していたことが分かった。「台湾有事」が「日本有事」に直結する事態が現実味を帯びている。
◇
産経新聞が6日、台湾の軍事情報筋の話として報じた。「中国軍の台湾への第一撃には、同時に南西諸島への攻撃が含まれることがますます明らかになってきた」と情報筋は指摘したという。
日本のEEZに着弾したものを含め台湾当局が中国が発射したと分析したのは、中国軍の戦略部隊であるロケット軍が運用する短距離弾道ミサイルの東風(DF)11A(射程約500キロ)と、新型の同F16(同約800~1000キロ)、陸軍の新型の長距離ロケット砲PHL16。EEZ周辺の目標の想定は、与那国島や周辺島嶼(とうしょ)のレーダーサイトやミサイル陣地だとした。防衛省が4日夜に公表した弾道ミサイル5発のEEZ内の着弾地点を北側に移動させると、与那国島周辺になる。
5日には中国海軍の水上戦闘艦2隻が台湾東部に設定した演習海域に向かっており、「共同行動をとっている米空母と海上自衛隊の艦艇を攻撃目標に想定した射撃訓練が行われる可能性がある」とした。
中国当局が台湾侵攻の際に日本を攻撃する事態を想定した演習を実施したことで、日本は早急な対応に迫られる。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「中国の演習は近い将来の台湾侵攻を見据えた壮大なリハーサルだ。日本も『与那国島を攻撃された場合にどうカバーするか』『米軍とどう連携するか』など完全なシミュレーションや、日米台の合同軍事演習を開催する必要もある。日台間の恒常的な枠組みを決める立法措置に向けて、政治家は急ぐべきだ」と語った。