「食べ物少なく…」 秋田と岩手結ぶ観光道路にクマ3頭、注意を

秋田と岩手両県を結ぶ観光道路「八幡平アスピーテライン」の道路脇に8日、ニホンツキノワグマの親子ら3頭が相次いで出没した。八幡平ビジターセンター(秋田県鹿角市)では「クマの食べ物が少なくなっている時期。くれぐれも注意を」と呼びかけている。
出没したのは、同センターに近い秋田県側の道路脇。親子とみられる2頭は道路脇の側溝などで食べ物を探すような仕草を見せ、20分ほどで茂みに姿を消した。もう1頭は200メートルほど離れた道路脇から現れ、地面を懸命にかき分けたり、道路を横断したりした。
3頭に共通するのは、車を全く恐れないこと。20メートルほど離れた場所に止めた車内から観察していた間、走行音の大きなオートバイやバスが何台も通過したが、3頭とも動じなかった。1頭は目線を地面に落としたまま近づいて来た。
同センターの工藤公光さんによると、3頭は周辺で生息が確認されている個体。母グマと今年生まれた子グマの親子と、独り立ちした2、3歳のクマとみられる。工藤さんは「付近のミズバショウを食べ尽くし、食べるものが少なくなっている。周辺を生息域にしているクマと生息域内の道路を利用するヒトが近づき過ぎるのは、お互いによくない。クマが道路に出てきたら、クラクションを鳴らすなど適切な距離を保ってほしい」と話している。【佐藤岳幸】