厚生労働省は8日、オミクロン株に対応した新型コロナウイルスワクチンの追加接種を、10月半ばにも始める方針を決めた。2回目までの接種を終えた全世代を対象にすることを想定している。また、同日の専門家分科会では、5~11歳への接種に「努力義務」を適用することが了承された。
新たに導入するワクチンは、オミクロン株の初期に流行した系統「BA・1」と従来株の成分を組み合わせた「2価ワクチン」と呼ばれるタイプ。米ファイザーと米モデルナが開発中で、承認されれば、9月にも輸入が始まる。厚労省によると、オミクロン対応ワクチンの供給については、2社と結んでいる現在の供給契約に含まれており、「必要な量は確保できる」という。
全世代を対象に接種する方向で進めるのは、高齢者の重症化を防ぐだけでなく、若い世代を含め、社会全体で免疫を持つ人の割合を高める狙いがある。世界保健機関(WHO)も「有益である可能性がある」との見解を示している。具体的にどう接種していくかなどについては、今後さらに詰めていく。
一方、5~11歳への接種の努力義務については、有効性や安全性のデータが集まったほか、第7波で子どもの感染者が急増していることを踏まえ、適用が望ましいと判断した。9月上旬にも課す。今年2月の分科会では、有効性が不明確などとして見送っていた。
努力義務は予防接種法上の規定で、12歳以上には既に適用されている。接種を受けるよう努めることを保護者らに求めるが、強制するものではない。