新型コロナウイルスの感染状況を評価する厚生労働省の助言機関は10日、神奈川県や愛知県などで病床使用率が8割以上になって厳しい状況となっているとの見解をまとめた。全国の新規感染者数は増加幅が縮小しているが、「これまでで最も高い感染レベルが継続している」と指摘した。
病床使用率はほぼ全国的に上昇傾向が続いている。都道府県別では、内閣官房の9日時点のまとめによると、神奈川が98%で最も高く、静岡が83%、愛知が80%で続いた。東京は56%、大阪は67%で、50%以上は計39都府県で、1週間前の29都府県から拡大した。
死者数は9日までの1週間で1日平均179人に上った。前週の110人から急増しており、「今後さらに増加することが懸念される」とした。
全国の新規感染者数は、厚労省によると、9日までの直近1週間で前週比1・05倍となり、1週間前の1・16倍から増加幅は縮小したが、「今後はお盆の人の動きに伴う影響も懸念される」とも指摘した。
座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「今後の感染状況は決して楽観できない」と話した。