前線の影響で東北北部は13日も大雨となり、秋田県五城目町では河川が氾濫し、住宅などの浸水被害が計186棟に上った。町は一時、町内2地区の計304世帯716人に避難情報のうち最も危険度の高い警戒レベル5の「緊急安全確保」を発令した。岩手県内も大雨に見舞われ、盛岡市は同日午後2時40分、一部河川の水位が今後も高まる恐れがあるとして流域66世帯116人に避難指示を出した。
気象庁によると、同日午後4時までの24時間降水量の最大値は、秋田県鹿角市263ミリ、五城目町180・5ミリ、青森県十和田市183ミリなど。鹿角市では降り始めの8日午後1時からの降水量が384ミリとなった。
五城目町
内川
(うちかわ)地区では13日早朝から、住民が住宅に流れ込んだ泥を取り除いたり、水につかった家具などを運び出したりする作業に追われた。農業の男性(72)は「夜中に玄関で物音がしたので見に行ったら、屋外から水が入ってきた。家の前の道路が冠水して川のようになっていた」と振り返った。
同庁によると、青森、秋田両県では14日は一時的に雨が弱まるが、15日以降に再び天気が崩れる見通し。大雨となる恐れもあり、土砂災害や河川の氾濫に厳重に警戒するよう呼びかけている。