台風8号、伊豆半島に上陸 8万人超に避難指示 欠航・運休相次ぐ

台風8号は13日午後5時半ごろ、静岡県の伊豆半島に上陸した後、神奈川や千葉県などを進んだ。東日本で雨や風が強まり、お盆期間で帰省客が増える交通網などに影響があった。大雨による土砂災害発生を警戒して、静岡市の一部や東伊豆町全域の計約8万4000人に避難指示が出された。浜松市では風にあおられて転倒した高齢男性が額から出血して搬送されたが、軽傷とみられる。
全日空は羽田、静岡空港を中心に計111便、日本航空も羽田など計24便の欠航を発表した。東海道新幹線は13日朝に静岡―掛川間の雨量計が規制値に達したことから同区間で一時運転を見合わせ、約9万2000人に影響が出た。
午後6時現在の24時間雨量は静岡県伊豆市372・5ミリ、静岡市葵区257ミリなど。台風は午後9時現在、千葉県成田市付近を東北東に進み、中心気圧998ヘクトパスカル、最大風速20メートル、最大瞬間風速30メートル。14日未明に関東の東海上に抜ける見通し。14日午後6時までに予想される24時間雨量は多い所で関東甲信・東海150ミリ、東北100ミリで、気象庁は土砂災害への厳重な警戒を呼びかけている。
3年ぶりに新型コロナウイルス禍に伴う行動制限がない中で迎えたお盆休みは台風のあおりを受けた。静岡県富士宮市の「朝霧高原オートキャンプ場」はほぼ埋まっていた13日の予約の約8割がキャンセルに。管理人の赤池信敏さん(52)は「台風とコロナの感染拡大のダブルパンチで悪い夏になりそうだ」と声を落とした。【柿崎誠、山本萌、田中韻】