つい2カ月前、隣の市で起きた失態が、何の「教訓」にもなっていなかった。
兵庫県警は14日、県警本部生活経済課の男性警部(49)が仕事終わりに部下と飲酒し、帰宅途中に路上で寝込んで、事件関係者ら約400人の氏名などが記載された捜査資料2通を紛失したと発表した。
同県西宮市在住の警部は12日午後8時半ごろから、部下2人と阪急西宮北口駅近くの居酒屋でビールや焼酎など計7杯を飲んだ。午後11時ごろ、阪急電車で帰る部下2人を駅で見送った後、徒歩で自宅へと向かった。
「泥酔するほど大量には飲んでおらず、自宅も駅から徒歩すぐのところだった。それがなぜか眠りこけてしまい、目が覚めたら朝の5時。約6時間熟睡していたようで、気づいたら、捜査資料の入った手提げかばんがなくなっていた。部下たちは別れる際、警部がかばんを持っていたのを確認しているので、寝ている間に何者かに盗まれた可能性が高い。警部はその日の夕方になって、上司に報告したそうです」(捜査事情通)
捜査資料は週明けの15日に使うため、県警本部に持って行く予定だったが、そもそも警部は持ち出しの許可を得ておらず、この時点で内規違反にあたる。
「捜査資料の1枚には事件関係者28人分の氏名と住所、すでに逮捕した被疑者の氏名、住所、生年月日、職業などが明記されていました。もう1枚には被疑者でも被害者でもない事件関係者約400人の氏名などが掲載されていました」(前出の捜査事情通)
■2カ月前には全尼崎市民のデータが紛失
個人情報の紛失をめぐっては今年6月21日、同県尼崎市から再々委託を受けた業者の40代社員が、酒に酔って大阪府吹田市のマンション敷地内で眠り込み、全市民約46万人の住民基本台帳などの情報を記録したUSBメモリーを紛失したばかり。盗難被害には遭っていなかったが、3日後にUSBメモリーが見つかるまで、市には「管理が甘いわ」「どないしてくれんねん」「わしの情報はどないなるんや」と抗議電話が殺到し、電話回線がパンクするなど、大騒動になった。
尼崎市のケースも担当者が1人でデータをUSBに抜き取り、市の許可を得ないまま無断で持ち出し、移管後もデータを消去していなかった。作業が終わった後は、速やかにUSBメモリーを元の場所に戻す決まりになっていたが、それも怠り、食事に行っていた。尼崎市の稲村和美市長は行政への信頼を大きく失墜させたとして、夏のボーナスに当たる期末手当195万1980円を全額カットするなど、自らに厳しい処分を科した。
尼崎でこれだけの騒ぎになったというのに、個人情報の厳正な管理、取り扱いを求められる警察官が同じ轍を踏むとは、お粗末としかいいようがない。