東京都渋谷区の路上で20日夜、母親(53)と娘(19)が包丁で刺され重傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された中学3年の少女(15)=埼玉県戸田市=は、「自分の母親を殺す練習」「人を殺せるか試そうとした」「死刑になりたかった」と供述している。異様な言葉の裏にどんな心理があったのか。
警視庁少年事件課は22日、少女を送検。少女は「新宿辺りで人通りがなく人を殺せる場所を探したが見つからず、いつの間にか現場に来た」と供述している。
現場はJR渋谷駅の西約700メートルで、京王井の頭線神泉駅前のビルやマンションが立ち並ぶ一角。母娘と面識はなく「自分の母親を殺す練習をしようと思った。死刑になりたいと思い、たまたま見つけた2人を刺した」と話している。
犯罪心理に詳しい東京未来大学の出口保行教授は「将来を悲観した場合に1人で死を選べずに、周囲を巻き添えにする『拡大自殺』の1つの傾向と考えられる。『社会的な死刑』に等しい状態を望んだり、社会的に大きな影響を及ぼそうと考えていたのかもしれない」と指摘する。
少女は「母親は不機嫌になると態度に表れる癖があり、自分も似てきていると思って殺そうと考えた。(残される)弟はつらいだろうから弟も殺そうと思い、人を殺せるかどうか試そうとした」と供述している。
目撃者によると、事件直後、駆け付けた人たちに両腕を押さえられた少女は、靴が脱げた状態で無表情であおむけになっていた。警察に引き渡されるとさめざめと泣き、ぽつりぽつりと何かをつぶやいていたという。
出口氏は「本当に母親がターゲットだったのかは不明で、後付けの理由だった可能性もある」としたうえで、「年少者は何かを思い詰めると視野が狭くなり、軌道修正が難しい場合もある。『助けて』と言えれば変わっていたこともあるかもしれない」と話した。