3000万円が行方不明…亡き父の内縁妻が実家に居座り、相続トラブルで泥沼化

夫婦の3組に1組が離婚する時代、再婚や事実婚のカップルも珍しくなくなり、親世代が認知症という家庭も少なくなくなった……。家族のかたちが大きく変容するなか、身近になった相続問題で悩む人は増えている。今回は“新しい家族の形”が生んだ悲劇のケースを紹介する。

◆内縁のパートナーがトラブルの火種に

「親父が死んだら揉めるだろうと心配していたんですが、案の定、見事に揉めています」

そう言って肩を落とすのは、昨年80歳になる父親を亡くした石橋正寛さん(仮名・49歳)だ。母親は35年前に他界。一人息子であるため唯一の法定相続人だが、父親に内縁のパートナーがいたことから、父親の死後、まっとうな財産分与が行われるのか長らく案じていたという。

◆父親名義の通帳や保険を見ることも許されない

「親父の好きになった人ですから、好きに生きればいいと思っていたんです。でも、親父のいまわの際(息を引き取る間際)に病室で内縁関係の女性からお金の話を出されて……。

『貯金はゼロよ』とか『家と土地はあなたにあげるけど、それ以外の株とかは全部もらうから』って」

遺言書は未作成。加えて、父親名義の通帳や保険などは同居している内縁のパートナーが囲い込み、今も一切見せられていないという。

生母と暮らした家には、父亡き今、内縁のパートナーが居座っているという。

◆3000万円を相続したはずなのにどうなったのか不明

「実は、30年前に母の父(祖父)が亡くなって、未成年だった僕が代襲相続人として3000万円相続しているんです。でも、そのお金がどうなったか今もわからない」

これも新しい家族のかたちが生んだ悲劇なのか……。

◆木野綾子弁護士が教える解決法

「まず、内縁の妻は法定相続人ではないし、遺言書も存在しないのなら、お子さんが内妻の顔色を窺うのはナンセンス。また、親が手続きした代襲相続は、30年前だとすると消滅時効にかかっているものと思われます。何事も早めの対策が肝要です」(木野綾子弁護士)

【法律事務所キノール東京代表弁護士 木野綾子氏】
裁判所勤務を経て弁護士。上級相続診断士。家族信託専門士。共著に『新しい常識 家族間契約の知識と実践』(日本法令)など

取材・文/週刊SPA!編集部

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