私立幼稚園連合会横領 文科省幹部ら6人を減給 飲食接待受ける

全日本私立幼稚園連合会(東京都千代田区)の業務上横領事件を巡り逮捕、起訴された前会長らから接待を受ける倫理規程違反があったとして、文部科学省は26日、矢野和彦官房長ら計6人を減給の懲戒処分とした。飲食代を負担してもらったり、菓子を受け取ったりするなど6人で少なくとも計約38万7300円相当の接待を受けていた。
永岡桂子文科相は同日の閣議後記者会見で「極めて遺憾で心よりおわびする」と述べ、大臣給与1カ月分を自主返納するとした。監督責任を問い、義本博司事務次官も厳重注意にした。
文科省によると、矢野氏は財務課長だった2015年と初等中等教育企画課長だった17年の2回にわたり、前会長らから計約6万4000円の接待を受け、減給10分の1(3カ月)の処分となった。矢野氏は同日、報道陣の取材に「深くおわび申し上げる。私の認識が甘かった」と謝罪した。
このほか、幼児教育担当の前官房審議官で官房付の淵上孝氏ら、幼稚園を所管する幼児教育課長を務めるなどしていた幹部5人も減給10分の2(6カ月)~10分の1(1カ月)の処分となった。それぞれ12~20年の間に前会長らからの接待を受け、1回の会食で約6万7300円の飲食代を負担してもらったり、会食の場で菓子を受け取っていたりするケースもあった。多くは飲食代の一部を職員も支払い、連合会側から職務に関する依頼は受けなかったとしている。
国家公務員倫理法に基づく倫理規程は、職員が許認可事業などの「利害関係者」から接待を受けることを禁じている。飲食代を折半した場合も自己負担が1万円を超える場合は届け出が必要だとしている。連合会は、任意団体で文科省の所管ではないが、幼児教育に関する調査事業などを委託していたため、前会長らは利害関係者に該当する。ただ、文科省は21年3月時点で、過去5年に職員からの届け出のなかに前会長らとの会食はないとしていた。
事件を巡っては前会長の香川敬被告(70)が私文書偽造などの罪で、元事務局長の勝倉教雄被告(49)が業務上横領などの罪で起訴された。警察当局から前会長らと会食した職員についての情報提供があり文科省が7月から調査していた。
文科省では18年にも私大支援事業を巡る汚職事件に絡み、当時の事務次官を含む幹部が飲食接待などで懲戒処分を受けた。今後、同省は会食時の会費を適切に払ったと証明できる領収書を入手・保存するなどの再発防止策を指導するとした。【国本愛、深津誠】