神奈川県真鶴町の木村勇町議(39)の陣営関係者が選挙人名簿を閲覧した際にカメラで撮影した問題で、木村氏は29日、議員を辞職する意向を明らかにした。小田原市内で記者会見し、「私の陣営の不祥事であり、議員の職に残ることは、私のわずかながらにある倫理観が許さない」と述べた。
木村氏は2021年9月、同月に実施された町議選の選挙運動に利用する目的で、木村氏の陣営に協力していた隣接する湯河原町の土屋由希子町議(40)らと選挙人名簿を閲覧。その際、土屋氏が名簿をタブレット端末で撮影し、その画像を他の協力者と共有した。名簿の撮影や画像の共有は、公職選挙法に抵触する可能性がある。
木村氏によると、辞職の意向については土屋氏のほか、自身に近く、別の選挙人名簿の不正利用問題が明らかになっている真鶴町の松本一彦町長にも説明し、2人からは「(木村氏の意向を)尊重する」と伝えられたという。9月の定例議会閉会後に、議長宛てに辞職願を提出する予定。【本橋由紀】