宮内庁がSNS(ネット交流サービス)などを駆使し、広報活動を強化することが30日、判明した。2023年度の概算要求にSNSなどを担当する参事官ポストの新設と、職員2人の増員を盛り込んだ。同庁はホームページ(HP)を開設しているものの、SNSでの発信はこれまでなかった。
同庁によると、皇室に関する週刊誌などの記事やSNSで流れる情報には間違ったものがあるといい、「宮内庁が積極的に情報発信すべきだとの声があった。SNSという新しい媒体などを検討し、情報発信を進める」(担当者)と説明した。どういったSNSを使うかや、開始時期は決まっていない。同庁はHPの全面的な刷新も進める。
宮内庁は1999年にHPを開設し、皇室の方々の日程や写真、おことばなどを紹介している。また、記事や報道に誤りがあると判断した場合、誤りを正したり、見解を示したりしてきた。ただ、そうしたケースは多くはない。
秋篠宮家の長女、小室眞子さん(30)の結婚にあたっては、バッシング報道やインターネット上などで誹謗(ひぼう)中傷が相次いだ。秋篠宮さまは昨年11月の誕生日に合わせた記者会見で、そうした報道などへの対応を「一定のきちんとした基準を設けて、それを超えたときには例えば反論する。今後もこういうことは多分続く。宮内庁とも相談しながら基準を考えていくことは必要だ」と述べられていた。
宮内庁は今回のSNS活用について、秋篠宮さまの意見を考慮したことは否定し、情報発信を進めるよう「マスコミなどを通じて意見があった」としている。【高島博之】