「今が攻めどき」の声に押され…自民側に「対決型ですか」と問われた安住氏「もちろん」

立憲民主党の新執行部が29日、本格始動した。安住淳国会対策委員長は、政府・与党への対決姿勢を鮮明にした。「国対ヒアリング」を連日開催して追及を強める方針だが、他の野党をまとめられるかどうかは不透明だ。
安住氏は同日、自民党の高木毅国対委員長と就任後、初めて会談し、安倍晋三・元首相の国葬(国葬儀)を巡る閉会中審査について、岸田首相の出席を要求した。高木氏が「『対決型』ですか」と尋ねると、「もちろん」と応じた。
立民はこの日、共産党などと国対ヒアリングを行い、官僚らに国葬の経費などについて問いただした。警察庁の担当者が警備態勢について答弁に詰まると、渡辺周衆院議員が「警備の不手際で安倍氏は命を落としたんじゃないか」と語気を強める場面もあった。
安住氏は民主党時代から数えて国対委員長になるのは5回目だ。安倍政権などに対して審議拒否も辞さない姿勢で、新型コロナウイルス対応などで政府を激しく攻め立てた。ただ、「批判一辺倒」と言われ、立民は2021年衆院選で惨敗。枝野幸男代表(当時)とともに、執行部から退いた。
泉代表が就任時に掲げた「提案路線」から「対決路線」に回帰したのは、岸田内閣の支持率が低下傾向にあり、「今が攻めどき」(ベテラン)との声に押されたためだ。国対ヒアリングについて、安住氏は周囲に「国会を開かないから、毎日、徹底的に厳しくやる」と話しており、国葬に加え、「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)を巡る問題などを取り上げる考えだ。
ただ、枝野代表時代に行った「野党合同ヒアリング」は、官僚を責め立てる姿勢が反発を招き、当初参加していた国民民主党が離脱した。今回も、日本維新の会と国民は参加せず、立民と距離を置いている。立民内では「やり過ぎれば『役人いじめ』と批判されるだけでなく、また『立憲共産党』の構図になる」(中堅)と懸念の声が上がる。
一方、自民党は立民新執行部の対決姿勢を警戒している。国対幹部は「実力者がそろっており、相当な覚悟を持って臨む必要がある」と語った。