台風11号は31日、大東島地方と沖縄本島地方に接近し、北大東村では午前4時58分に8月の観測史上最大となる最大瞬間風速48.4メートルを観測した。人的被害はなく午後9時現在、那覇市の南170キロを時速20キロで発達しながら西南西に進んでいる。沖縄気象台によると今後沖縄の南で停滞した後、2日夜ごろから北上する見込み。3~4日ごろに先島諸島に近づき、4日にかけて沖縄本島地方に再接近する可能性もあり、影響が長引く恐れもある。(社会部・普久原茜)
中心気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルで中心から半径95キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっている。31日午後9時の観測で「猛烈な台風」から「非常に強い台風」に変わったが、1日朝には再度「猛烈」に戻る見込みで、気象台は「引き続き強風や高波に注意し、最新の気象情報を確認してほしい」と呼びかけた。
南大東村では31日午前5時33分、最大瞬間風速41.7メートル、24時間降水量は108.5ミリを観測した。 北大東村では最大75.0ミリの雨が降った。暴風で北大東村港にある建設会社敷地内の木造の作業員宿舎が全壊。両村では30日午後9時時点で40人が指定避難所に入っていたが、暴風が収まった31日午前11時半までに全員が帰宅した。
両村ともサトウキビを中心に農作物に被害が出た。沖縄電力によると大東地方の330戸が停電したが、同日午後9時時点で320戸が復旧している。
沖縄本島の中南部・北部には同日午前10時14分、暴風警報が発表されたが午後6時56分に解除された。
海や空の便では欠航が相次ぎ、同日の県内空港発着便は少なくとも47便が欠航、約3336人に影響した。沖縄旅客船協会によると沖縄本島と周辺離島を結ぶ便や、那覇-鹿児島便など計108便が欠航した。沖縄本島で運行するバス4社と沖縄都市モノレールは1日、始発から通常運行する予定。
沖縄本島地方の1日に予想される最大風速は20メートル(最大瞬間風速30メートル)、波の高さは8メートルでうねりを伴うため、引き続き警戒が必要だ。
日本の南で発生した熱帯低気圧は31日午後9時現在、日本の南を時速約20キロで北に進んでいる。今後台風に変わり、1~2日にかけて沖縄地方に接近するが、2日午後には熱帯低気圧に戻るとみられる。