「ひょうたん島」乳児死亡 地検、不起訴の元施設長の再捜査見送り

水戸市大工町の認可外保育施設「ひょうたん島」で乳児2人が相次いで死亡した事故を巡り、2016年に死亡した女児の遺族が、業務上過失致死容疑で不起訴となった元施設長の男性(79)の再捜査を求めていた件で、水戸地検が遺族側に「(不起訴にした事件を再捜査する)再起はしない」と回答していたことが2日、遺族側代理人への取材で判明した。今後、検察審査会に申し立てるか検討するという。【長屋美乃里】
再捜査を要請していたのは、16年7月13日未明に当時生後7カ月で死亡した理華ちゃんの母、孫秋萍(ソンチュウピン)さん(48)。今年1月、代理人弁護士が再捜査の申し入れ書や、元施設長の過失を認めた民事訴訟の裁判資料を地検に提出。不起訴処分を撤回して起訴するよう求めていた。19年12月に続き2回目となる申し入れだった。
代理人弁護士は2日、担当の検事から、理華ちゃんの死因が窒息死と特定されなかったことや、元施設長がうつぶせ寝にしていたものの口や鼻が塞がっていたことが証明されなかったことなどから、再起を見送ると説明を受けたという。
孫さんが元施設長に損害賠償を求めた民事訴訟では、水戸地裁が21年12月の判決で「注意義務を怠り、うつぶせ寝で相当の時間放置したことで窒息死させた」と過失を認定。「(死亡は)健康状態が原因」とする元施設長の訴えを退けていた。
代理人弁護士は「刑事では民事よりも高度な立証が求められ、難しかったようだ」と話した。検察審査会に申し立てるかは、孫さんと相談して考えるという。地検は「コメントできない」としている。
元施設長は今年8月、ひょうたん島で死亡した別の乳児についての業務上過失致死罪で罰金50万円の略式命令を受けている。