茨城県牛久市の入管施設「東日本入国管理センター」で2014年、収容中のカメルーン国籍の男性(当時43歳)が体調不良を訴えたのに放置され死亡したとして、遺族が国と当時のセンター所長に1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、水戸地裁(阿部雅彦裁判長)は16日、国側に165万円の賠償を命じた。
訴状によると、男性は13年10月、成田空港で上陸許可を得られなかったが、出国しなかったため、空港の入管施設に収容され、同年11月に東日本入国管理センターに移送された。男性は糖尿病を患っており、14年3月29日未明に胸の痛みと不眠を職員に訴え、同日夜には床の上で苦しんで転げ回る様子も認識されたのに救急搬送されず、翌30日朝に死亡したとしている。
男性の母親は17年9月、「医師の診察を受けさせるなど必要な措置を講じず、生命を保持するための注意義務を怠った」などとして提訴。訴訟では、男性が意識障害に陥る前に救急搬送をしていれば、救命できた可能性があったと主張していた。
一方の国側は、救急搬送しても助かった可能性は低いとした上で、「医療従事者でない職員の対応に職務上の注意義務違反は無かった」と請求棄却を求めていた。【長屋美乃里】