山口・阿武町誤給付 被告が公判で無罪主張へ「構成要件満たさず」

山口県阿武町が誤って新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金4630万円(463世帯分)を1世帯に振り込んだ問題を巡り、誤給付分全額を別の口座に振り替えたとして電子計算機使用詐欺罪で起訴された、振込先の世帯で無職、田口翔被告(24)=同町=が10月5日に山口地裁で始まる公判で無罪を主張する方針であることが、関係者への取材で判明した。田口被告は捜査段階で当初、容疑を認めていたが、弁護側は同罪の構成要件を満たさないと訴える見通しだ。
起訴状などによると、田口被告は誤給付と知りながら、4630万円をオンラインカジノの決済代行業者の口座に振り替えるなどして、不法に利益を得たとしている。
同罪の成立には①コンピューターなどに虚偽の情報を入力して不正な情報を記録した②不法な利益を得た――の2要件を満たす必要がある。弁護側は、給付金を別の口座に振り替えた事実関係は認めた上で「虚偽の情報を(コンピューターに)与えてはおらず、同罪は成立しない」と主張するとみられる。
一方、町が田口被告に誤給付分の全額返還などを求めた民事訴訟は、誤給付分が全額回収されたこともあり、解決金約340万円の支払いや田口被告が町と町民に謝罪することなどを条件として、9月22日に和解が正式に成立する見通し。【福原英信】