都営地下鉄の駅員9人がICカード乗車券の利用記録を不正に操作し、運賃の支払いを免れていたとして処分されていたことが21日、関係者への取材で分かった。駅員はいずれも、東京都交通局から駅業務などを請け負っている一般財団法人東京都営交通協力会の職員。協力会は4月、9人を懲戒解雇としたが、公表していなかった。
関係者によると、駅員は都営地下鉄新宿線の駅などに勤務。駅員しか操作できない「窓口処理機」と呼ばれる専用の機器を使ってICカードの乗車記録を取り消すことで、通勤で使った運賃の支払いを免れていたという。
東京都営交通協力会によると、今年1~3月の調査で不正行為が発覚。4月30日付で9人を懲戒解雇にしたという。
都交通局では今年6月、不正乗車を繰り返していた都営地下鉄の職員2人を懲戒免職にし、公表していた。一方、駅員9人の不正行為や処分を公表していない理由について、都交通局は「協力会は関係団体だが、交通局とは別の団体になるので、局としての報道発表は行っていない」とした。