世論を二分した安倍晋三元首相の国葬を巡って、野党各党の対応は割れた。立憲民主党の党執行役員のほか、共産、れいわ新選組、社民各党が欠席した。一方で、日本維新の会、国民民主などは出席した。各党からは国葬の検証や、今後に向けた基準作りなどを求める声が相次いだ。
立憲の泉健太代表は27日、国会内で記者団に「国葬のあり方について大きな課題、禍根を残した。国民の理解、納得は得られなかった」と述べた。「こうしたことを繰り返さないために何ができるのか訴えたい」とも語り、10月3日召集予定の臨時国会で今回の国葬の検証について議論する考えを示した。
立憲は、法的根拠が乏しく、国会への事前説明がなかったことなどを問題視して、泉氏ら党執行役員9人が欠席した。泉氏は党本部で、テレビ中継で国葬を見たという。党幹部の欠席に関し「時の内閣による恣意(しい)的な国葬の政治利用を許さないという姿勢を示すことができた」と主張した。
ただ、党執行役員以外の所属議員の出欠は自主判断としたため、菅直人元首相ら議員の大半は欠席したが、野田佳彦元首相、玄葉光一郎元外相ら一部は出席し、党内で対応が分かれた。
共産の志位和夫委員長、社民の福島瑞穂党首はともに、国葬と同時間帯に国会前で市民団体などが開いた反対集会に出席し、国葬実施を決めた岸田政権を批判した。志位氏は「国葬が憲法違反だという点は絶対に曖昧にしてはならない。故人に対する敬意と弔意を国全体で表す儀式だというが、思想・信条の自由を侵害する弔意、敬意の強制と言わず何というのか」などと訴えた。福島氏は「閣議決定だけで何で国葬を決められるのか。国会無視ではないか」と訴えた。
維新、国民民主、NHK、参政の4党は国葬に出席した。維新の馬場伸幸代表は国葬後の記者会見で「改めて安倍氏が偉大な政治家であったと実感した」と述べたが、「岸田内閣が国民が納得できるような手順を踏んだかと言われれば、いろんなところが抜け落ちていたと思う」と手続きの不備を指摘した。国民民主の玉木雄一郎代表は「賛否が分かれる形で行われることになったことは残念だ。同様の混乱を避けるためにも、基準や手続きを定めていく議論を国会で速やかに行うべきだ」と語った。【宮原健太、李舜】